閃光のように 第16話


ルルーシュの撮影会が行われた!
際どい写真がいっぱいだ!
スザクとシュナイゼルが写真を狙っていた!
だが最強防壁ナナリーが渡さない!
エロい写真を欲しがったスザクは再び床に倒れ伏した!
再び咲世子に踏まれている!


「では、本題に入ろうか」

シュナイゼルが優雅な仕草で紅茶を傾けながら言った。

「本題、ですか」

ルルーシュは眉を寄せた。
今更だが、この男が敵か味方かまだわからないのだ。

「君がこのエリア11を騒がせているテロリスト・ゼロで、裏ではクロヴィスと共にクーデターも計画していることは、クロヴィスから聞いている」
「兄上、聞いたではなく盗聴したと言って下さい」

心外だというようにクロヴィスは呻いたが、シュナイゼルは無視をした。

「それが事実だとしたら、どうなさるつもりですか?私を逮捕し、皇帝の前にでも引きずり出しますか?」

ルルーシュは鋭い眼光でシュナイゼルを睨みつけた。
シュナイゼルはその視線に動じるどころか、うっとりとした表情を浮かべたため、C.C.とスザクに、こいつは敵だ!と認定された。
幸いというべきか、そのシュナイゼルの笑みはルルーシュには不敵な笑みに写ったらしく、ルルーシュはむっとした表情で睨みつけた。

「そんな事するつもりはない。そのクーデター、私も協力しよう」
「協力・・だと?」

ルルーシュは探るような視線を向けた。

「その代わりと言っては何だが」
「お兄様の写真を7枚お渡ししましょう。日本に来てからの7年分です」

にっこり笑顔でナナリーは先手を打った。
自分たちの知らない7年間の記録。
それは欲しい。
ここを逃せば手に入らない可能性は大。
ならば確実に手に入れなければ。

「わかった。それで手を打とう」

自分の願いは後々叶えればいいと、あっさり承諾を示した。

「ナナリー、出来れば私にも・・・」
「はい。クロヴィスお兄さまには後でアルバムをお見せしますね」
「本当かい!?」

気に入ったものは焼きまししますという言葉に、クロヴィスは嬉しそうに頷いた。
ナナリーはクロヴィスに、自分には当然劣るがブラコン(ルルーシュ限定)の気配を感じ取っていたのだ。
この兄となら、愛しい兄の事を夜通し語り明かせるだろう。

「私にも見せてくれるのかな?」

にっこり笑顔のシュナイゼル。

「シュナイゼルお兄様は駄目です」

にっこり笑顔のナナリー。
どす黒いオーラを纏う攻防だが、ルルーシュの目には可愛く可憐なナナリーの微笑みと、胡散臭いシュナイゼルの憎たらしい笑みという認識しかされていなかった。

「クロヴィス兄さん、ナナリーのアルバムも見ますか?」

もちろん見ますよね!?
俺の天使の記録ですよ!
見ないなんて選択はないですよね!? 

「もちろんだよ!ぜひ見せてくれないか」

同じシスコンの匂いを嗅ぎ取ったルルーシュは、それはそれはいい笑顔で頷いた。
愛するナナリーの事を語り明かせる同士を見つけた!そんな笑顔だった。
それが面白く無いのはシュナイゼル。

「クロヴィスを皇帝に据え、私が宰相。そしてルルーシュが影の支配者となり、私とともにクロヴィスを裏から操るという流れでどうだろうか」

にっこり笑顔で黒いことを言い放つシュナイゼルに、クロヴィスは言い知れぬ恐怖を感じ短い悲鳴を上げた。一生馬車馬のようにこき使われる未来しか見えない。

「基本的にはその方向で行きますが、是非クロヴィス兄さんには国民に慕われる賢帝になって欲しいので、シュナイゼル兄上が裏から操るのは却下です」

何をさせるか解りませんからね。

「ルルーシュ・・・!」

ルルーシュが出した助け舟に、クロヴィスは大げさなほど感動した。

「裏から操るのは俺とナナリーだけで十分です」

きっぱり言い切ったその言葉にクロヴィスの感動は薄れたが、あの腹黒兄に命じられるより、可愛い可愛い弟と妹に頼み事をされる方がいいに決まっていると、ルルーシュの言葉を素直に受け入れた。
さすがブラコン!
ブラコンシスコンは血筋だな!
C.C.はそんなやりとりを腹を抱えて笑いながら聞いていた。
この部屋のBGMはC.C.の馬鹿笑いなので、はっきり言ってマヌケな空気が流れているのだが、皇族4人の周りにだけはクラシックでも流れているのではないかと錯覚してしまう。そのぐらいC.C.の馬鹿笑いを彼らは完璧に無視をしていたのだが。

「つまり女王様二人が裏で世界を操るのか、いいな、それは楽しそうだな!ぷはははは」

この発言にだけは、しっかり皆反応した。
もちろん、女王様という単語にだ。

「女王様なルルーシュ・・・」

スザクがゴクリとつばを飲んだ。
その言葉に反応した咲世子は、グリグリとピンヒールでスザクの背中をえぐった。
瞬間、スザクに天啓が下りる。
今まさにある意味女王様に踏まれているのだ!
踏んでいるのは女王さまなルルーシュ、という脳内変換を始めたスザクに気づいたナナリーとシュナイゼルはすかさずスザクに殺気を飛ばした。
その殺気に当てられ、スザクはその妄想は一時中断した。
いいもん、今夜の楽しみにするから。
いじけながらもスザクはそんなことを考えていた。

「では、影の支配者はルルーシュお兄様。賢帝となるのはクロヴィスお兄様、その補佐にシュナイゼルお兄様ということでよろしいですね?」

ルルーシュの写真をチラつかせながらナナリーは確認をした。
そして影の支配者であるルルーシュを君が操るんだよね?という言葉を皆は飲み込み、同意するように頷いた。

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